総入れ歯になった場合、噛み方にコツなどはあるのでしょうか?

まずは噛み癖に注意!

多くの総入れ歯の人は前歯で噛む癖がついています。
総入れ歯の患者さんは一気にすべての歯を失って総入れ歯になる人はいないと思います。
もちろん、ごくまれにそのような方はいらっしゃいますが本当に少ないと思います。
多くの人は、少しずつ自分の歯を失っていき、最終的にすべての歯を失う人がほとんどだと思います。

人は歯を失うと残っている歯の場所で食べ物を噛みます。
残っている歯には神経があるので噛む感触が伝わるからです。
そして噛み癖がつくと少しずつ下の顎の位置も変化してきます。
また、データを採ってみると人は奥歯を先に失いやすく、前歯、特に下顎の前歯は臼歯に比べて残っている期間が長いので、奥歯ではなく前歯で噛む癖がついてしまいます。

総入れ歯の前歯では食べ物を噛みきることはできますが食べ物を噛み砕いて小さくすることができません。
また、総入れ歯は患者自身で取り外しができる歯科補綴物なので、過剰な力で外れてしまうリスクがあります。
前歯で食べ物を噛むと、総入れ歯に負荷がかかり外れてしまうことがあります。
ですので食べ物は前歯で噛みきっても絶対に奥歯で咀嚼するようにしなければいけません。

噛む場所に注意!

総入れ歯は、天然の歯と違って総入れ歯は前歯で噛み切ることはできても、臼歯で食べ物をすり潰すことが難しいものです。
それは総入れ歯が歯茎にそって乗っているだけのものだからという理由があります。
天然の歯は歯槽骨という顎の骨に固定されているので、ほとんど動揺することがありません。

しかし、総入れ歯の人は歯が1本もないため、入れ歯を支えるものが存在しません。
よって、しっかりとした顎の型を採ってそれに合わせて入れ歯を製作し、顎の形にぴったり合った総入れ歯によって口腔内で安定をさせます。

先ほども言いましたが、総入れ歯は患者さん自身で取り外しが可能です。
ということは力を加えれば簡単に外れてしまうということです。

咀嚼することを考える

さて、本題の噛み方のコツですが、実は総入れ歯にはたくさんの噛み合わせの理論が存在します。
臨床的で広く使われている方法から、理論はしっかりしていますが、ほとんど机上の空論でしかないものまで様々です。
もちろん、どの理論が一番良いかなど正直わかりません。
一つ一つ理論を比較することなど不可能に近いからです。

例えば、人工の歯の形が鋭利に尖っていて、肉などを噛み切れてもすり潰して小さくできないものや、ほとんど人工の歯が平らで、噛み切ることはできませんが、ご飯などの柔らかいものはすり潰しやすい…など様々です。
また、患者さんの顎の関節の状態(顎が小さい、もしくは大きくて前に出ている)や、顎の骨の状態に追って使用できる理論が限られてしまう場合もあります。

ただし、どのような理論で総入れ歯を作ったとしても、すべてといっていいほど決まりがあります。
それは、何度も言いますが『前歯で噛み切り、奥歯で咀嚼する』ということです。人間は前歯で咀嚼することができません。
奥歯では噛み切ることもできますし、食べ物を噛んで小さくする咀嚼能力もあります。
なので、常に食事のときは奥歯でよく噛むことを心掛けなければなりません。

食べ方のコツ

一般的に、総入れ歯になると歯があったときと比べて3割ほどの咀嚼能力しかなくなるといわれています。
なので、食べにくくなるのは避けられません。
煎餅やお新香などの硬いものやお肉や野菜などの繊維的なのもはもちろんのこと、ご飯などありとあらゆるものまで食べにくくなってしまいます。

ですので、あまり多く口に含まず、一口大にしてよく噛むことが大切になってきます。
食べにくいのでおかゆや流動食などを食べ始めると、噛むという刺激が脳に伝わらないので、認知症の原因になるとも言われています。

もし、総入れ歯で噛めなかったり、今使っている入れ歯に不調がある方は、西永福歯科にて受診、調整をすることをお勧めします。

入れ歯がどうしても合わないそんな時

噛み方のコツとは少し話が変わりますが、入れ歯の不調をいくら調整しても改善でしない場合は、違う特殊な総入れ歯をご提案させて頂いています。

1つめは、生体用シリコーン義歯です。
これは、粘膜に接する入れ歯の部分を柔らかい生体用シリコーンにすることで、噛んだ時の痛みや違和感を軽減させるだけでなく、フィット感を向上させることができるので噛む力も強くなります。

もう1つの方法としては、インプラントオーバーデンチャーです。
これは、数本のインプラントを顎に埋め込んで総入れ歯を固定する方法です。
従来の総入れ歯は歯茎に乗っているだけなので簡単に取り外しができますが、不意に外れてしまったり入れ歯が動いて噛みづらかったりします。
しかし、インプラントで入れ歯を固定することで入れ歯は動くことがなく、噛む力も強くなります。

どちらも健康保険が適応外なので治療費は少々かかってしまいますが、入れ歯で困っている方は一度西永福歯科で受診されることをお勧めします。