デンタルフロスを使うのと使わないのとでは、予防の効果は全く違いますか?
杉並区西永福の歯医者さん、西永福歯科・小児歯科・矯正歯科です。
今回のテーマは「デンタルフロスを使うと予防の効果は高まるのか」です。
虫歯や歯周病を予防するためには歯磨きは欠かせません。
そして、歯磨きの効果を高めるためにはデンタルフロスの使用が効果的だと言われています。
とは言え、デンタルフロスを使用することで歯磨きの手間は増えるため、それが面倒な人もいるでしょう。
そこで、デンタルフロスを使うと使わないのとでは、予防効果にどれくらいの差があるのかを説明します。
1. プラークの除去率が2割高まる
ブラッシングだけ行った場合、プラークの除去率はおよそ6割と言われています。
つまり、丁寧に磨いたとしてもプラークの4割はそのまま残っているのです。
そして、デンタルフロスを使用した場合、プラークの除去率はさらに2割高まると言われています。
このように、デンタルフロスを使うと使わないとではプラークの除去率に明らかな差があります。
虫歯や歯周病を引き起こす細菌はプラークの中に存在していますから、
デンタルフロスを使用した方が確実に予防効果は高くなるのです。
2. 虫歯の予防効果が高まる
デンタルフロスを使用すれば虫歯の予防効果は格段に高まります。
上記で挙げたようにプラークの除去率が高まるのも理由の一つですし、
デンタルフロスは歯と歯の間の汚れを除去できるからです。
と言うのも、虫歯の大半は歯と歯の間から発生することが多いため、
そこをいかに綺麗にできるかが虫歯予防の重要なポイントになるのです。
本来そこは歯ブラシが届かなくて磨けない箇所ですが、デンタルフロスを使用することで綺麗にできるのです。
3. お口の中の異常を発見できる
デンタルフロスを使って得られる効果は虫歯予防だけではありません。
お口の中に何らかの異常があった場合、デンタルフロスを使用することでそれに気付けることもあるのです。
例えば、デンタルフロスが引っ掛かる場合、そこにある詰め物や被せ物が合っていないことが考えられます。
また、虫歯がある際にもデンタルフロスが引っ掛かる、切れてしまうといったことが起こります。
さらに、デンタルフロスから嫌な臭いがする場合は歯周病になっている可能性があるのです。
このように、デンタルフロスの使用の違和感は、お口の中の病気や異常に気付けるきっかけになるのです。
4. 使用の頻度に注意
デンタルフロスの効果を得るためには、1日1回使用しなければなりません。
基本は丁寧に歯磨きできる時間…すなわち夜の歯磨きの時に使用するといいでしょう。
歯磨きはほとんどの1日2回、もしくは1日3回行いますが、毎回デンタルフロスを使用する必要はありません。
逆に、週に1回などデンタルフロスを毎日使用しなかった場合、
元々使用しない人と予防効果はほとんど変わらず、デンタルフロスの予防効果を得ることができません。
このため、デンタルフロスを使用する場合は1日1回の使用を目安にしてください。
5. 歯間ブラシとの違い
デンタルフロス同様歯磨きの効果を高めるものとして、歯間ブラシというものがあります。
実際に、デンタルフロスと歯間ブラシの違いが分からないという人も多いため、
ここでデンタルフロスと歯間ブラシとの違いについて説明しておきます。
デンタルフロスは歯と歯の間の汚れを除去するためのもので、虫歯予防に効果的とされています。
一方歯間ブラシは歯と歯肉の間の汚れを除去するためのもので、歯周病予防に効果的とされています。
もちろん両方使用することも可能ですし、その場合はプラーク除去率も9割以上になります。
6. それでも欠かせない定期検診
デンタルフロスを使用すれば虫歯の予防効果が高まるのは確かです。
しかし、だからと言って確実に予防できるとまでは言えません。
いくらデンタルフロスを使用したとしても、歯磨きだけで予防するのは難しいのです。
そこで欠かせないのが歯科医院の定期検診です。
虫歯にしても歯周病にしても、確実に予防するためには定期検診を受けてください。
また、定期検診ではブラッシング指導も行っているため、歯磨きの精度をさらに高められます。
まとめ
いかがでしたか?
最後に、デンタルフロスを使うと予防の効果は高まるのかについてまとめます。
- プラークの除去率が2割高まる :ブラッシングのプラーク除去率は6割。デンタルフロスでさらに2割高まる
- 虫歯の予防効果が高まる :虫歯が発生しやすい歯と歯の間を綺麗にできるので、虫歯予防効果が高まる
- お口の中の異常を発見できる :デンタルフロスの違和感や臭いで、お口の中に異常があることに気付ける
- 使用の頻度に注意 :週に1回程度では意味がない。デンタルフロスは毎日1回使用すること
- 歯間ブラシとの違い :デンタルフロスは歯と歯の間を磨き、歯間ブラシは歯と歯肉の間を磨く
- それでも欠かせない定期検診 :例えデンタルフロスを使用しても、予防には定期検診が欠かせない
これら6つのことから、デンタルフロスを使うと予防の効果は高まるのか分かります。
現状日本においてはデンタルフロスの使用率は少なく、割合で言えば1割にも満たない使用率です。
ただし、ほとんどの歯科医がデンタルフロスを使用しています。
虫歯の予防効果を高めるためにも、デンタルフロスの使用をおすすめします。