虫歯はどのようにして起こり、どのようにして進行していくのでしょうか?

杉並区西永福の歯医者さん、西永福歯科です。
今回のテーマは「虫歯の発症と進行」です。
虫歯を自覚する人の場合、その多くは歯の痛みがきっかけとなるでしょう。

しかし、歯が痛み時点でその虫歯は既に進行しており、つまりそれよりもっと以前に虫歯は発症しています。
では、虫歯はどのように発症してどのように進行していくのでしょうか。
そこで、ここでは虫歯の発症と進行についてその流れを分かりやすく解説していきます。

虫歯が発症するメカニズム

口の中には数百種類の細菌が存在しており、虫歯の原因菌もそこに含まれています。
そして、虫歯の原因菌はプラークを棲み処にして、食べ物に含まれる糖をエネルギーとして酸を出します。
この酸によって歯が徐々に溶かされていくのが、虫歯が発症するメカニズムです。

最も、虫歯の原因菌の出す酸に対してなすすべがないわけではありません。
虫歯の原因菌の出す酸によって歯の成分が溶け出すことを脱灰と呼びますが、
これに対して歯を修復する働きが再石灰化であり、口の中では脱灰と再石灰化が繰り返されているのです。

脱灰と再石灰化のバランス

虫歯になるメカニズムは脱灰によるもので、これに対抗する働きが再石灰化です。
そして、本来脱灰と再石灰化はバランス良く起こっており、そのため虫歯が発症することはありません。
しかし、このバランスが崩れて脱灰が優勢になると、再石灰化が追い付かずに虫歯が発症するのです。
さて、ここで気になるのが脱灰と再石灰化のバランスが崩れる要因で、例えば次のことが挙げられます。

間食が多い

再石灰化は時間をかけて行われるものです。
間食が多いと食事する頻度が高くなるため、再石灰化が完了する前に再び脱灰が起こります。
そうすると再石灰化が不充分の状態になってしまい、脱灰が優勢になってしまいます。

ダラダラと時間をかけて食事する

これは子供に多く見られる傾向があり、子供に虫歯が発症しやすい理由の一つになっています。
脱灰は食事中に起こり、再石灰化は食後に起こります。
このため、食事の時間が長いと脱灰の時間が長くなり、再石灰化が追い付かなくなってしまいます。

よく噛まずに食事する

再石灰化の役割を果たすのは唾液です。
食事中に唾液が出るのは、実は再石灰化を促進するために起こる現象なのですが、
よく噛まずに食事する人は唾液が出づらくなるため、再石灰化が不充分になってしまいます。

虫歯の進行

脱灰によって虫歯が発症すると、やがてその虫歯は進行してしまいます。
言い換えるなら脱灰がさらに進行するわけで、そのため歯が溶かされて穴があきます。
虫歯の穴は進行度に比例して深くなっていき、やがては歯の象牙質まで到達するでしょう。

さて、象牙質は歯の表面とエナメル質とは異なり、刺激に対して非常に敏感です。
虫歯の穴が象牙質まで到達すると、象牙質が直接刺激を受けるようになりますから、
敏感な象牙質が刺激を受けることで歯は痛み、これを知覚過敏と呼びます。

虫歯の痛みはこの知覚過敏によるもので、つまり虫歯で歯が痛むということは、
その虫歯は象牙質まで進行しているということになるのです。
また、さらに虫歯が進行すれば穴は神経まで到達、そうなると神経が炎症を起こしてズキズキと痛みます。

虫歯の進行を食い止めるには

一度でも進行した虫歯は、いくら再石灰化が促進されても修復されることはなく、
つまり進行した虫歯に対して自然治癒は見込めません。
進行した虫歯は、歯科医院で治療しなければ治らないのです。

治療方法は患部となる歯を削り、再度の細菌感染を予防するため詰め物で処置します。
最も、あくまでこれは一般的な治療方法であり、虫歯の進行度によって治療内容は変化します。
例えば、虫歯が神経まで進行していれば、根管を清掃・消毒するための根管治療が必要です。

さらに、歯が溶かされている範囲が広ければ詰め物では対処できず、被せ物で処置しなければなりません。
被せ物でも処置できないとなれば、抜歯するしかないのです。
要するに、虫歯が進行すればするほど負担の大きな治療が必要になってくるのです。

まとめ

いかがでしたか?
最後に、虫歯の発症と進行についてまとめます。

1.虫歯が発症するメカニズム:虫歯の原因菌の出す酸によって歯が溶かされる(脱灰)
2.脱灰と再石灰化のバランス:脱灰に対して再石灰化で歯を修復。このバランスが崩れると虫歯になる
3.虫歯の進行:脱灰がさらに進めば虫歯が進行して、虫歯の穴が象牙質まで到達すると知覚過敏が起こる
4.虫歯の進行を食い止めるには:進行した虫歯に対して自然治癒は見込めず、治療が必須となる

これら4つのことから、虫歯の発症と進行について分かります。
口の中では脱灰と再石灰化が繰り返されており、このバランスが保たれていれば虫歯にはなりません。
一方で、バランスが崩れて脱灰が優勢になると、再石灰化が追い付かずに虫歯になってしまいます。
脱灰と再石灰化のバランスを崩さないためには、正しい食生活を送る必要があります。